妊娠前に生理不順だと妊娠うつになりやすい

東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の西大輔准教授の研究グループが月経周期管理アプリに入力されたデータを解析し結果を発表しました。このグループは「全自動化インターネット認知行動療法による妊娠うつ病・産後うつ病の予防」を研究しています。

どんな内容だったかと、いろはでの対応をお知らせいたします。

論文のまとめ

妊娠中・育児中のママたちに人気のアプリ、ルナルナベビーでママたちの情報を収集したそうです。3473名の妊娠16週から20週の方を対象とし、データの解析を行ったとのことです。

妊娠前に月経の周期の変動幅が6日以上の不規則な周期になっていた妊婦さんは、エジンバラ産後うつ病自己評価票スコア(EPDSスコア)が高かったとのことです。

具体的な数字でご説明すると、月経周期変動幅が6日未満の妊婦さんと比較した場合、６日以上の妊婦さんのほうがうつの可能性を示す(スコア11点以上)方が約1.4倍多いという結果が出ました。

あくまで「妊娠うつになりやすい傾向にある」ということであって、「生理不順だと将来は妊娠うつになる」ということではありませんのでご注意くださいませ。

周期が短い(２５日未満)、もしくは長い(３４日以上)という傾向は、妊娠うつとの関連は見られませんでした。

将来の妊娠・出産を踏まえながら、妊娠前から生活習慣を改善・工夫したり、健康への意識を高める事を「プレセコンセプションケア」と呼びます。

妊娠前の月経周期の特徴が周産期のメンタルヘルスに影響を与える可能性があるので、プレセコンセプションケアで対策をたてることを検討しましょう、という結論でした。

問診票の裏面に、月経に関する記載欄がございますのでそちらに周期についてなどご記入くださいませ。妊婦さんは妊娠前の生理の状況をご記入くださいませ。

また、育児中のママで「第一子の妊娠中は今思えば妊娠うつだったなあ。将来、第二子でもそうなったら不安…」という場合、次の妊娠・出産に備えて鍼灸でプレセコンセプションケアしましょう。

毎回施術後にお渡ししているアドバイスシートに書いておきます。プレセコンセプションケアにおいて、長期間のセルフケアがとても大切です。ご家族など周りの方にも読んでいただいて、皆んなで協力しあって元気になりましょう。

専門用語で一般的ではないのと、発音しづらいという理由で、カウンセリングの際には「プレセコンセプションケアしましょう」とはお話ししません。

「将来に備えてメンテナンスしましょう」という言い方に落ち着くと思われます。ご安心ください、同じ意味です。