冠水している所に入ってはいけない理由

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8月13日に発生した豪雨により被災された皆様にお見舞い申し上げます。1日も早い復興をお祈り申し上げます。

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この1週間SNSやYoutubeで、被害状況を伝える動画をたくさん見ました。そこで心配になったのが「冠水している所を歩いている人々」の姿です。そこで髙橋、魂の叫び…「帰ってお風呂に入れば大丈夫」は間違いです!

パッと見で綺麗な水に見えても、冠水時の水には危険がいっぱいです。なぜ冠水しているところに入ってはいけないか、お知らせいたします。

約2600字の長文ブログですが、目次と赤文字だけ読めば大体理解できますので、忙しい方も是非サラッとお読みください。

【ご注意ください】日本の首都圏の話に限定して今回のブログを投稿しております。

感染症

レプトスピラ症(重症になるとワイル病)

レプトスピラ症にかかっている動物の糞や尿で汚染された土壌や水が、体の傷や粘膜に接触することによってうつる感染症です。

予防のためのワクチンは存在しません、もしかかったら抗生物質で治療します。

飲食店が多い商業地帯にはネズミがたくさん生息しており、その分ネズミの排泄物も多いです。冠水するほどの豪雨に見舞われた場合、ネズミの排泄物は雨水と一緒に流れて人間の小さい傷口(蚊に刺されて引っ掻いた所や転んで擦りむいた膝など)から入り込みます。例え傷がなくても水で皮膚がふやけている状態だと感染リスクが高まります。

感染した場合は2日~3週間の症状のない期間の後、頭痛・発熱・悪感・筋肉痛・吐き気・下痢や腹痛など、風邪に似ている症状が現れます。皮膚に発疹が現れることもあります。

重症になると体が黄色くなり(黄疸)、いろいろな臓器の機能がおかされます(ワイル病と呼ばれます)。ワイル病になると死亡することがあります。

破傷風

土壌・動物の糞に存在している破傷風菌の芽胞が人間の傷から侵入し、神経毒素を産生することで全身に毒が回る感染症です。

ワクチンが2種類あり、

  • 四種混合ワクチン=破傷風・ジフテリア・百日せき・ポリオ予防のためのワクチン
  • 二種混合ワクチン=ジフテリアと破傷風予防のためのワクチン

が現在日本では行われています。複数回の接種が必要です。回数が足りていても最後の接種から時間が経過している場合、ワクチンの効果は期限切れです。

畑の土や、マンション・家・商店にあるプランターの土が雨水に流され、人間の小さい傷に入り込むとそこから感染します。交通事故で車に轢かれた時も感染します。

潜伏期間は、3~21日で平均は10日です。症状は全身の筋肉のけいれん&硬直・顔の筋肉がけいれんして笑っているように見える・飲み込み困難・呼吸困難・頻脈または徐脈・高血圧または低血圧・多汗などです。重症化すると死に至る感染症です。

ビブリオ菌

腸炎ビブリオやコレラ菌などと同じビブリオ科に属する細菌です。魚介類を食べて感染することが多いのですが、口に入らなくても人体の傷から入り込み感染することがあります。

海に近い地域が冠水した場合、ビブリオ菌感染リスクが高まります。海水が逆流する河川が近い地域も要注意です。

数時間から2日間の潜伏期を経て、発熱・皮膚(主に脚)の痛み・腫れ・発赤などの症状が始まります。健康な人では下痢や腹痛を起こすこともありますが、重症になることはありません。

しかし以下のいずれかに当てはまる方は治療が遅れるとビブリオ菌が全身に広がります。極めて死亡率が高く早期診断・早期治療が極めて重要です。

  • 免疫力が低下している※寝不足・過労でもなりがち
  • 鉄剤を内服している
  • ステロイドを服用中
  • 免疫抑制剤を使用中
  • 肝臓病
  • 糖尿病
  • アルコール依存症

冠水水が手から口へ

  • 冠水した靴を脱ぐ
  • スマホを触る
  • 鼻や口を触る
  • 避難所で飲食する

という行動により、汚れた手から口・目・鼻、そして濡れていない上半身の傷へ各種の菌が入り込む場合がございます。その結果、感染症を発症してしまいます。災害時こそ手洗いが重要です。

怪我

感染症以上に怪我の危険がございます。冠水している所には以下の危険が潜んでいます。

  • マンホールに落ちる※水が汚かったり夜だと見えない
  • ガラスの破片・釘・自転車のスポーク・傘の骨その他いろんなものが流れてきて足に刺さる、そして怪我したところから菌が入って感染症にかかる
  • 大きな物が流れてきて足を打撲※転倒して水を飲み込み最悪溺死
  • 化学物質・農薬などが冠水水に含まれており皮膚がただれたり火傷する

感電※感染症と異なり即死のリスク有り

視界に入っていない所に電気設備あり

ほぼ100%H2Oという純水ならほぼ電気を通しません。しかし冠水水には塩類・土壌中のイオン・下水・汚泥・金属・溶解物が含まれているので電気を通します。

そのため本来絶縁されている電気設備、例えば

  • 切れた電線
  • エアコン室外機
  • 屋外照明
  • 分電盤
  • 太陽光発電設備
  • 電気温水器(エコキュート)
  • コンセント
  • 延長コード
  • 電気自動車

等が浸水によって水と接触し漏電します。結果、水・地面・人体を経由して電流が流れ感電します。例え水位が低くともです。

いずれかの電気設備が視界に入らなくとも、少し離れたところで各種電気設備が水と接触していたら人間は感電します。「この水は電気が流れているか?」と歩行者自身が判断するのは不可能です。

停電していても太陽光パネルは発電し続ける

盲点は太陽光パネルです。電力会社の電力供給が停止していても(停電)、太陽光パネルでの発電は可能です。しかも浸水・破損をした場合であっても光が当たれば発電する事が可能です。

したがって、浸水・破損した太陽光発電設備(パネル部分とその他パーツ)に直接触れなくとも感電する可能性があります。この設備が水に浸かっていたらと思うと怖いです。

停電していても危険な理由

東京電力がホームページで停電エリアを公式発表しているのを確認して「このエリアは停電だって。じゃあここら辺の地域は電気設備が全て働いていない無電圧状態なんだね。」と思われませんようお気をつけください。なぜかというと、例えば以下のようなケースがあるからです。

  • 別系統から電力が供給されている建物がある
  • 自家発電設備がある建物がある
  • 太陽光発電設備が発電している
  • 復旧活動が終了し突然通電する※毎回停電しても突然照明が使えますよね
  • 発電機から電気が逆流する

参考文献

レプトスピラ症(国立健康危機管理研究機構)

破傷風(国立健康危機管理研究機構)

ビブリオ・バルニフィカス(農林水産省)

破損・浸水した太陽電池発電設備による感電事故防止について(経済産業省) 

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