ベッドで安静にしていると筋肉以外も弱るけれども復活できます

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怪我をして安静にしていたり病気療養中の方向けの記事です

コロナ無関係にご自宅や病院で安静にしてベッドにずっといらっしゃる皆さんこんにちは。

今日は「ずっと寝ていると筋肉が落ちる以外に全身に影響が出ます」という内容のブログです。でも安心してください。怪我やご病気から解放されかけた時にリハビリを始めたら復活できます!

ずっと床に臥しているまたは安静にしているとどうなるか?

筋肉が減る&筋力低下

3週間ベッドにいると全身の筋肉量の5%が減ります。

ギプス固定を3〜5週間すると筋力が50%低下します。

骨密度が減る

3週間ベッドにいると骨密度が7.3%、20週間ベッドにいると30~50%減少します。

動かないとなぜ骨密度の減少するのかというと、骨を作る作用よりも骨を破壊する作用の方が優位になってしまうからです。

関節の動きが悪くなる

ラットの実験ですと、2週間の安静で膝の関節を包んでいる関節包(関節を囲んでいる膜)が薄くなってきます。

体液が減る

なぜ体液が減るかというと、以下のような流れがあるからです。

横に寝る→脚から血液が胸に移動する→一時的に心臓からの血液が出る量が増える→人体「血圧上がっちゃう!調整しよっと」→毛細血管への血液による抵抗が減る→人体「体液が増加した(※実際はしてない)から減らさなきゃ!」→心臓から分泌される利尿ホルモンの量が増える→排尿の量が増える→体液の量が減る

血液の循環量が減る

24時間寝ていると血漿(血液がら血球を取り除いた薄黄色い液体)が5~10%減り、20日後には15%減ります。

血液循環量と体液が減ったために起立性低血圧になる

なぜ起立性低血圧になるのか?

6週間ベッド生活を送ると心臓の血液を収める容量が減り、心臓の中にある仕切りの厚みが減ります。これは、血液循環量と体液が減ったせいで心臓があまり仕事をしなくなり、貧弱になってしまうためです。簡単にいうと「心臓があまり働かないせいで萎んだ」ということになります。しぼんだ心臓があまり仕事ができないせいで起立性低血圧になります。

元気な人と、床に臥して起立性低血圧になった人を比較してみましょう。

元気な人の場合

寝ているところから立ち上がる→脚と体幹の静脈に血液が貯まる→心拍数が減少する→血圧低下→自律神経「急いで血圧上げなきゃ!心臓頑張れ!」→心臓「わかった」→心拍数と心臓の収縮力が上がる→血圧が正常に戻る

ベッドに寝続けて起立性低血圧になった人の場合

寝ているところから立ち上がる→脚と体幹の静脈に血液が貯まる→心拍数が減少する→血圧低下→自律神経「急いで血圧上げなきゃ!心臓頑張れ!」→心臓「無理、そんなに働けない」→血圧戻らないで低いまま→脳への血液循環量が減る→起立性低血圧が起こる(めまい・吐き気・意識がなくなる)

持久力が落ちる

1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量(最大酸素摂取量)が減ります。一日ベッドで安静にしているだけで0.9%低下します。

静脈血栓ができるリスクが高まる

寝ていると筋肉のポンプ作用が機能しにくく、しかも血液量が減って血液のネバネバ度合いが高まっているので血栓ができやすくなります。

肺が動けるスペースが減って肺の動きが低下する

寝ると横隔膜(肺の下にある横に平たい筋肉)が上に4cmくらい上がります。そのため肺が動ける空間が減ります。

便秘になる

動かずに寝ていると、食べたものが人体を通過する時間が長くなります。それが便秘の原因になります。

尿路結石になりやすくなる

骨密度が減る、の項目にも書きましたが、骨を作る作用よりも骨を破壊する作用の方が優位になってしまいます。そのせいで高カルシウム血症・高カルシウム尿症が起きて尿路結石ができるリスクが高まります。

尿路結石の症状

わき腹や下腹部、背中などに激しい痛みを生じることが特徴です。痛みは数日で消失することが多いものの、腎臓でつくられた尿が腎臓内に溜まり、腎臓の機能を障害したり、腎盂腎炎を引きおこすことがあります。

小さな結石であれば、尿の流れとともに多少の痛みを伴いながら自然排石することもあります。

精神神経の状態が悪くなる

20日間に安静にしていると、精神的に落ち込んだり軽度の意識混濁、見えないはずのものが見えたりします。また、今日は何曜日か、ここはどこなのか分からなくなります。

でも起き上がって運動できるようになれば大丈夫

ここまで散々なことを書いておいてなんですが、怪我やご病気から回復してきてリハビリや体操などを始めれば見事に復活できます。

病院の医師先生はもちろん、理学療法士・作業療法士・看護士・ソーシャルワーカーの方たちがチームを組んであなたがまた元気になるのを計画を立てて応援してくれます。

いろはができること

鍼灸院である当院も、リハビリでの疲労を回復できるよう応援いたします。この場合はリハビリの同日かつリハビリの後、またはリハビリの翌日にリラクはり灸いろはにて総合鍼灸50~60分を受けられる、というスケジュールがおすすめです。

やりづらい動きなどを鍼灸師髙橋にお知らせください。硬くなってしまった筋肉や関節を楽に動かせるように鍼灸を使用して参ります。リハビリの内容もお知らせくださいませ。

参考文献

安静臥床が及ぼす全身への影響と離床や運動負荷の効果について〜The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine56巻 (2019年)11号

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