診察を受けていないけど、これはもしかして顔面麻痺なのでは!?と思った時にどうすれば良いかをお伝えします。
当院でできる事とセルフケアは後編でお知らせいたします。
顔面麻痺の症状とは?
以下の症状が一つでもあったら、顔面麻痺の可能性がございます。
- 顔面が強張る
- 目が閉じられない
- 眉が動かない
- 口を閉じられない
- うがい・飲食をすると口からこぼれる
- 何となく顔が動かしづらい
- 耳が痛い
どこの病院に行けば良い?
耳鼻科で診察を受けてください。顔面神経の通り道は耳のご近所にあります。
処方されるお薬は、飲み薬・点滴です。耳鼻科でしかできない治療法として、耳にごく少量のステロイドを投与する治療法がございます。
すぐに受診しなきゃだめ?
症状が出始めてからから3日以内に受診してください。
3日以上の時間が経過してしまうと、後遺症が残ってしまう恐れがございます。発症から3日以内の受診が、完治するか・後遺症が残るかの分け目となります。
耳鼻科での診察を受けず、他の診療科、例えば脳神経外科などへ行ってMRIなどの検査を受けていると、どんどん時間が経過して3日以上の時間が経ってしまいます。
また、
「今度の週末になってから診察を受けよう」
「もうちょっと様子を見てからでいいや」
「痛くないしマスクをしていれば隠れるから急がなくていいかな」
と思って受診が先延ばしにする方がいらっしゃるようです。これは後遺症が現れるリスクが高くなります。顔面麻痺は時間勝負なので、早めの診察を強くお勧めいたします。
顔面麻痺になる原因は?
原因は以下のように様々で、多いのはウイルスによるものです。
- 単純ヘルペスウイルスが関与している→ベル麻痺、という種類の顔面麻痺。顔面麻痺の6割がこのタイプです。
- 水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化→ハント症候群、という種類の顔面麻痺。
- 疲れやストレスで上記ウイルスが活動するようになって発症※元気な時もウイルスは存在します。
- 聴神経腫瘍の手術、側頭の骨の骨折、その他色々。
後遺症は治るの?
初めて顔面麻痺になる患者さんのうち、治療しない、または治療開始が遅れて間に合わなかったために2割が元通りにならず生涯後遺症で苦しみます。
時間が経過すると顔の筋肉が動かせないことにより固まってきます。筋肉が硬くなると、顔の動きは戻りません。そうなる前にリハビリが必要になります。
参考文献