「連続して歩けなくなっちゃった、年齢のせいかしら?」とお困りの方は最初に整形外科へ行きましょう
歩く→お尻・脚が痛い、または痺れる→しゃがむ、または座る→楽になる→最初に戻って繰り返し
…そんな症状でお困りの方、いらっしゃいませんか?そんな時はまず整形外科で診察を受けて脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)か、それ以外かの診断を受けてください。もし脊柱管狭窄症と診断された場合、鍼灸がとってもおすすめです。比較的ご高齢の方に多いご病気です。
脊柱管狭窄症には手術による治療法があります。しかし実際には、リハビリテーションによる症状緩和を病院から提案される患者さんが多いようです。
脊柱管狭窄症かどうかの基準
診断基準は以下の4点で、4つ揃うと脊柱管狭窄症と診断されます。
- お尻からもも・膝下に、痛み・しびれがあります。
- 立ち続ける・歩き続けると、お尻からもも・膝下の症状が現れます、または症状が強くなります。ですが、しゃがんだり前屈みになったり椅子に座ると楽になります。
- 腰痛の有り・無しは問いません。
- MRI等で腰椎の画像診断を受けると、「脊柱管が狭くなってますね」「椎間板が薄くなってますね(縮んでますね)」「背骨が変形してますね」等と伝えられます。表現は色々ありますが加齢による何らかの変化が画像に写ります。
基準は昨年の2021年に変わりました
髙橋が鍼灸の国家資格を取得した時代は、上記の条件3「腰痛の有り・無しは問いません。」はありませんでした。ですが今は違います。他の1,2,4は同じです。
なぜ上記の3のような基準ができたかというと、
- お尻の痛みと腰の痛みを区別しづらいから
- 非特異的腰痛(痺れ・麻痺・お手洗いに関わる症状等がない腰痛の事)と区別しづらいから
が理由です。
間歇性跛行(かんけつせいはこう)とは?
上記の基準2は、間歇性跛行(かんけつせいはこう)という症状です。これは脊柱管狭窄症の重要な特徴です。
歩く→お尻から脚(ふくらはぎ等)が痛い、または痺れる→しゃがむ、または座る→楽になる
という症状のことを指します。間歇性跛行は症状の名前であり、病名ではありません。
脊柱管狭窄症と似ている病気
脊柱管狭窄症のせいで現れる間歇性跛行は、腰から始まっている神経への圧迫が原因です。
これとは異なり、神経ではなく血管への影響で間歇性跛行の症状が出るご病気があります。それは閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)です。
閉塞性動脈硬化症とは?
脚の血管に動脈硬化が起こって血液の流れが悪くなってしまい、間歇性跛行(かんけつせいはこう)の症状が起こります。
普通に歩く時、脚の筋肉には安静時の10~20倍の血液が必要になります。ですが、閉塞性動脈硬化症のせいで血流が悪い場合は筋肉に血液と酸素が十分にいきわたりません。結果、筋肉に酸素不足起きてしまうせいで脚に痛みが生じます。
この場合は整形外科にて「脊柱管狭窄症ではないかもしれないので、循環器科(他には心臓血管外科など)に紹介状書いておきますね!」という流れになります。閉塞性動脈硬化症の場合、鍼灸は対応できません。
いろはならこうする
整形外科で診断を受けられ、閉塞性動脈硬化症ではなく脊柱管狭窄症と診断されてからが鍼灸の出番です。
メニューは総合鍼灸50~60分または90分がおすすめです。医療費控除対象のメニューとなるので、領収書は紛失しないようお気をつけくださいませ(領収書の再発行はできません)。
うつ伏せではなく横向きと仰向けでの施術になります。脊柱管狭窄症の方はうつ伏せは苦しく困難です。腰・脇腹・お尻・太ももは必ず鍼灸を行なっていきます。頭・首・膝より下・お腹に関しては鍼灸を追加したりしなかったり個別に対応いたします。
割と下着を下ろしてしまうので(横向きでお尻に鍼灸を使用するためです)、ゆるい下着を履いてご来院されることをお勧めいたします。施術中は寒くないように赤外線と電気敷き毛布を利用します。
施術を定期的(月2回程度)に受けられる事によって間歇性跛行(かんけつせいはこう)の症状がだんだん軽減してきます。しかし腰の骨周辺の変形自体を戻せるわけではないので、しばらく鍼灸をお休みすると再び間歇性跛行の症状が復活してしまいます。
心臓ペースメーカーをご利用の方は必ず施術前にお知らせください
微弱電流を鍼に流す施術となりますが、これはペースメーカーをご利用の方には絶対やってはいけない方法となります。なぜなら、ペースメーカーを誤作動させる危険性があるからです。
ペースメーカーをご利用の方には電気を流さない方法で鍼の施術をご提供いたします。ご安心くださいませ。