当院には胃腸の症状でお悩みの方が多くご来院されています。その中でも特に多い慢性胃炎、または類似症状に対する鍼灸についてのご案内です。
慢性胃炎の主な症状
名前の通り胃の粘膜に炎症が慢性的に起きているため、以下のような症状が続きます。これらは代表的な症状です。
- 空腹の時や夜に胸焼けがする
- 食後にムカムカする、またはもたれる
- お腹が張る
- 胃が重い
- 胃が痛い
- 食欲不振
- 吐き気がある
慢性胃炎の原因
原因は以下のいずれかです。
- ヘリコバクター・ピロリ菌(以下『ピロリ菌』)…ピロリ菌の長期感染は、慢性胃炎の原因No.1です。
- 非ステロイド系消炎鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレン等種類が豊富)を飲んでいる
- ストレス
- 飲酒
- 喫煙
- ニンニクまたは唐辛子が好き
- クローン病
- サルコイドーシス
- 細菌・ウイルス・真菌(カビ)の感染
- 自己免疫性によるもの(A型胃炎)…悪性貧血にもなるタイプの胃炎です。
病院での治療
慢性胃炎に対する根本的治療は存在しません。対処療法として、以下のようなお薬が処方されます。
- 胃酸分泌を抑えるお薬
- 胃の粘膜を保護するお薬
- 消化運動の機能を改善するお薬
など
鍼灸が有効なタイプの慢性胃炎
ピロリ菌に感染していない、または除去済みであることが必須条件です。
かつ以下のいずれかに当てはまる方に鍼灸がお勧めです。複数当てはまる方も多いかと思います。
- ストレスがある方
- 飲酒も喫煙もせず、ニンニクも唐辛子も滅多に食べない方
- 子ども時代から胃腸が弱い方
ピロリ菌の検査って何をするの?
日本ヘリコバクター学会が、一般の方向けにピロリ菌に関するQ&Aを公開してくださっています。以下のリンクをご覧くださいませ。
日本ヘリコバクター学会>市民の皆様へ>ピロリ菌に関するQ&A
いろはならこうする>総合鍼灸50~60分
鍼灸のご予約をされる前に、胃腸科でピロリ菌検査をしてください。ピロリ菌がない事、または除去してなくなった事を確認してから当院のご予約をされますと、時間とお金を無駄にしないで済みます。
鍼灸は生理中でも施術可能です。目安としては、月1、2回のご来院をお勧めしております。
慢性胃炎以外の症状についても施術前のカウンセリングでお聞きします。肩こり(強いて言えば左肩)でお悩みの男女が多いです。
慢性胃炎以外に生理痛、PMS(月経前症候群)がある場合、それらの症状に対しても施術いたします。料金は変わりません。
うつ伏せで背中、仰向けでお腹・脚に鍼とお灸を使用します。更にお一人お一人に合わせて使用するツボを追加する、オーダーメイドの施術です。
仰向けの時、へそ下5センチまでショーツをめくります、ご了承くださいませ。寒くないように赤外線を当てながら施術いたします。
慢性胃炎だけでなく坐骨神経痛もある場合は、横向きの施術も追加する必要がございます。この場合は総合鍼灸90分でご予約されますようよろしくお願い致します。
セルフケアでお灸をお勧めするケースがとても多いです。お灸を乗せる場所はアドバイスシートに書いてお渡しします。
胃気虚弱[いききょじゃく]〜慢性胃炎と診断されなかった場合
「病院で検査したらピロリ菌は無く胃も綺麗です、と診断されました。でも自覚症状はあるんです。とりあえず薬は出されました。」
このような方は東洋医学(中医学)でいうところの胃気虚弱[いききょじゃく]と呼ばれ、鍼灸がお勧めです。施術の方法は上記と同様です。
胃気虚弱の方の特徴は以下の通りです。全て当てはまるということではなく、複数当てはまることになります。
- みぞおちからヘソより上側がつかえ、膨満感がある
- 食欲不振
- 未消化便
- 水っぽい下痢
- 胃の周辺がシクシク痛む
- 腹痛が無くても軟便
- 顔色がくすんでいて黄色っぽい
- 口数が少ない
- ハキハキ喋れない(頑張って大きな声を出すと疲れる)
- 別のご病気が治ったばかりで体力がまだ復活していない
- 心療内科で胃神経症と診断された