膝へのPRP(多血小板血漿)関節内注射と鍼灸

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女性に多いお悩みである変形性膝関節症の痛み。

最近多いのが「膝にPRP(多血小板血漿)療法は効きますか?」というご質問です。今回のブログで必要な情報をまとめてお伝えします。

※2026/04/28時点での情報です。

PRP(多血小板血漿)療法とは?

方法

自分の血液を使って、体の修復力をブーストする治療です。

手順としては

  1. 採血
  2. 遠心分離機を使って血小板が多い部分だけ取り出す
  3. それを痛い場所(膝など)に注射する

と、いたってシンプルです。

なぜ効くの?

血小板はただの止血役ではなく、ケガしたときに

  • 成長因子(細胞を増やす指令)
  • 炎症を調整する物質
  • 血管を作るシグナル

を出します。怪我は放っておいても治ることは治りますが、治癒のスピードはゆっくりです。
しかしPRP(多血小板血漿)療法を受けると、修復物質を狙った部分にドカンと集中投下できるため怪我の治りが早まります。

メリット

  • 自分の血液を使うのでアレルギーがほぼない
  • 手術ではないので心身の負担が少ない
  • 副作用が比較的少ない

デメリット

  • PRPの質が統一されてないため、効果にバラつきが大きい※これが一番問題
  • 健康保険が効かない(2026年4月時点)ので高額の治療費になる
  • 即効性はそこまで強くない
  • 重症だともう効かない
  • 誰でも一様に効果があるわけではなく、自身の回復力に左右される

変形性膝関節症に対する鍼灸

鍼灸ができること

  • 痛みを感じる信号を抑える※これが最大のメリット
  • 脳が痛みを感じるのを抑える
  • 膝の血流改善
  • 脚の筋肉の緊張を低下させる
  • 軽度の抗炎症性作用
  • 免疫調整

鍼灸の弱点

  • 手術を勧められるレベルだと効果は無し
  • 改善の度合いに個人差が大きい※O脚が強度の方、糖尿病の方は改善が難しい
  • 膝の構造が変わることはほぼ無い

PRP療法と鍼灸は役割が異なります

PRP療法は軟骨・関節の環境に作用する可能性があり、鍼灸は痛み・機能・神経系の症状が得意です。

目的が違うので比較対象ではありません。具体的な効果は以下の通りです。

PRP 療法はこんな感じで効く

痛み…改善の度合いは個人差が大きく、同じ人が複数回受けても毎回同じように効くわけではない

機能…改善

構造…改善の可能性あり?

即効性…数週間から数ヶ月で改善が見られる

持続性…数ヶ月の効果あり

費用…両膝で5万円〜60万円で、それを1〜3回受けるのが一般的。全額自費で健康保険の適用はありません。美容目的ではないので医療費控除の対象。

鍼灸はこんな感じで効く※膝の変形性関節症はかなり研究が進んでいます

痛み…毎回安定して効く

機能…改善

構造…改善は基本なし※鍼灸を受けても軟骨が厚くなったり、割れた半月板や断裂した靭帯が元通りになることはありません!

即効性…当日〜翌日にはあり

持続性…定期的に複数回受けた場合は持続する

費用…いろはなら月1〜2回の頻度で通院。料金はこちら。どれくらい通い続けるかは症状の程度によります。スタッフが次の予約を強制することはございません。全額自費で健康保険の適用はありません。医療費控除の対象。

症状の段階によってPRP療法と鍼灸を使い分けましょう

初期の段階

階段も平地も歩けるけど痛い、軟骨がまだ残っている方。

そんな方には、鍼灸とセルフケアとしての運動療法の組み合わせがお勧めです。初動が早い方はこれで治癒するので将来の医療費を削減できます。

進行して以前より痛くなってきた段階

水が溜まってきたり、階段を降りる時に一段一段降りている方。

そんな方には、鍼灸で痛みコントロールしつつPRP療法で関節環境の改善を狙うのがお勧めです。鍼灸とPRP療法を併用し、それぞれに役割分担していきます。

病院で内視鏡手術を勧められるくらい重度の段階

軟骨がほぼ消失している、強く腫れている、膝関節の炎症が強い方。

ここまできたらPRP療法は受ける段階ではありません、もう効かないからです。手術を受けましょう。手術して抜糸したら、鍼灸を受けるのがお勧めです。この場合の鍼灸は、術後の回復促進とリハビリ後の疲労回復が目的です。

PRP療法が向いていないケース

以下のいずれかに当てはまる方は、PRP療法を受けても効果が見込めない、または病院で治療を断られる場合がございます。

  • 睡眠不足
  • 高ストレス
  • 運動不足
  • 肥満
  • 即効性を求める
  • 炎症が強いタイミングにある
  • 肝炎のがんで治療中
  • 血液のがんで治療中
  • 血小板が少ない

参考文献

変形性膝関節症マウスモデルにおいて、PRP関節内注射が軟骨変性を抑制する(英語)

 

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