夏にお勧めの果物7選

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熱中症が怖い毎日。

本日は真夏の暑い日にお勧めの果物を、中医学(東洋医学)でいうところの薬膳の視点でご紹介いたします。

食材は陰陽[いんよう]で分類できます

中医学(東洋医学)では、普段の食事で使う食材を以下の7通りに分けています。

  1. 熱[ねつ]=最も身体を温める食材(陽性食材)
  2. 温[おん]
  3. 微温[びおん]
  4. 平[へい]=陰陽どちらでもない食材
  5. 涼[りょう]
  6. 微寒[びかん]
  7. 寒[かん]=最も身体を冷やす食材(陰性食材)

熱[ねつ]に近づけば近づくほど体を温める食材、寒[かん]に近づけば近づくほど体を冷やす食材、ということになります。

夏は陰性の食材がお勧め

今の時期、毎日の暑さに負けないためには、涼[りょう]・微寒[びかん]・寒[かん]に分類される陰性食材を毎日の食生活に取り入れるのがお勧めです。

ただし陰性食材「だけ」では良くないです。陽性食材・平[へい]性の食材も1日の中で摂りましょう。

特に肝陽亢盛[かんようこうせい]の体質の方には、陰性食材がお勧め

肝陽亢盛[かんようこうせい]の特徴は以下の通りです。※全てが当てはまるわけではありません。

  1. 高血圧※特に多い
  2. 赤ら顔
  3. ガッチリ体型または肥満体型
  4. 怒りっぽい
  5. 寝つきが悪い

このような肝陽亢盛[かんようこうせい]の体質の方には、陰性食材である

メロン・すいか・グレープフルーツ・マンゴーがお勧めです。

夏にお勧めの果物7選

今日は果物に限定して、暑い夏にお勧めしたい、主に陰性の食材をご紹介いたします。

メロン〜寒[かん]

東洋医学から見た夏向きの効果

  1. 止渇除煩[しかつじょはん]…のどの渇きを鎮めてイライラを解消します。
  2. 利尿解暑[りにょうげしょ]…尿の出を改善し、暑気あたり(暑さによる体調不良)を解消します。

量は控えめにした方が良いタイプ

  1. 妊婦さん…体を冷やさないことを優先し、冷蔵庫で冷やしていない常温のメロンを少しだけ食べるのがお勧めです。
  2. 子ども…胃腸が冷えると発育に不利になるので、妊婦さん同様常温のメロンを少しだけ食べるのがお勧めです。
  3. 気血両虚…メロンを食べすぎると下痢します。
  4. 胃腸が弱い高齢者…メロンを食べすぎると下痢します。
  5. 冷え性…メロンで冷え性が悪化します。

すいか〜寒[かん]

東洋医学から見た夏向きの効果

  1. 止渇除煩[しかつじょはん]…のどの渇きを鎮めてイライラを解消します。
  2. 消食下気[しょうしょくげき]…消化を促進し、胃腸を整えます。

量は控えめにした方が良いタイプ

  1. 気血両虚…すいかを食べすぎると下痢します。
  2. 胃腸が弱い高齢者…すいかを食べすぎると下痢します。
  3. 尿量が少ない方…すいかの利尿作用が腎臓の負担になってしまいます。
  4. 腎不全…すいかの利尿作用が腎臓の負担になってしまいますのでなるべくなら食べないのがお勧めです。

グレープフルーツ〜寒[かん]

東洋医学から見た夏向きの効果

  1. 行気和胃[こうきわい]…気[き]の巡りを良くして胃の機能を改善します。※果肉限定
  2. 消食下気[しょうしょくげき]…消化を促進し、胃腸を整えます。※皮限定

量は控えめにした方が良いタイプ

  1. 気血両虚…グレープフルーツを食べすぎると下痢します。
  2. 胃腸が弱い高齢者…グレープフルーツを食べすぎると下痢します。
  3. 妊婦さん…体を冷やさないことを優先していただきたいので妊娠中はグレープフルーツを食べない方が良いです。
  4. 子ども…発育に不利になるのでグレープフルーツの量は控えめがお勧めです。
  5. 冷え症…グレープフルーツで冷え性が悪化します
  6. 冷え性かつ腎機能に問題がある方…グレープフルーツでかなり冷え性が悪化します

腎機能に関して病院で治療中の方はグレープフルーツに要注意

薬膳とは違う西洋医学の話なのですが、グレープフルーツは一部の処方薬(シクロスポリン・タクロリムス)の血中濃度を上昇させてしまい危険です。担当の医師・薬剤師から詳しく説明を受けられるようお願いいたします。

詳しくは以下の日本腎臓学会のサイトからご確認くださいませ。

腎臓の病気について調べる>7,治療(日本腎臓学会)

マンゴー〜涼[りょう]

東洋医学から見た夏向きの効果

  1. 清暑止渇[せいしょしかつ]…身体の熱っぽさを鎮めて、のどの渇きを解消します。
  2. 益胃止嘔[えきいしおう]…胃の機能を回復して嘔吐を止めます。※ただし熱中症または食中毒による嘔吐は止められません!

量は控えめにした方が良いタイプ

  1. 高齢者…マンゴーのせいで下痢が続いてしまう可能性が高く、避けるのがお勧めです。
  2. 妊婦さん…むくみ・蛋白尿になりやすいので量は控えめがお勧めです。
  3. むくみと冷え性がある方…むくみの悪化と蛋白尿になりやすいので量は控えめがお勧めです。

びわ〜平[へい]または涼[りょう]

東洋医学から見た夏向きの効果

  1. 清暑止渇[せいしょしかつ]…身体の熱っぽさを鎮めて、のどの渇きを解消します。
  2. 潤肺止咳[じゅんぱいしがい]…肺の機能を回復させて、咳を止めます。

量は控えめにした方が良いタイプ

陽虚[ようきょ]の体質の方…寒がり・下痢しやすい・足のむくみ・食欲不振という症状が起きがちな場合、びわの実で冷え・むくみが悪化する可能性があります。

すもも〜平[へい]

すももは陰性食材ではないので、暑さに関係ないメリットもお伝えします。

東洋医学から見た効果

  1. 清肝熱[せいかんねつ]…肝[かん]にこもった熱を鎮める。
  2. 生清[せいしん]…唾液の分泌を促進します。
  3. 利尿[りにょう]…利尿作用があります。

量は控えめにした方が良いタイプ

以下の3つのいずれかに当てはまる場合、すももを食べすぎると胃腸に負担がかかり、元気がなくなるのでご注意ください。

  1. 陽虚[ようきょ]
  2. 気血両虚[きけつりょうきょ]
  3. 高齢者

桃〜温[おん]

夏の果物では数少ない陽性食材である桃。

桃は水分が多いにもかかわらず、身体を冷やさないという特徴があります。なので胃腸が弱い方・妊婦さん・小児にもお勧めです。

東洋医学から見た効果

  1. 生津潤腸[せいしんじゅんちょう]…腸などを潤わせ、整腸機能を助けます。
  2. 補脾活血[ほひかっけつ]…胃腸の機能を改善し、血[けつ]の巡りを促進します。
  3. 消積[しょうせき]…体内の老廃物を体外へ排出します。

量は控えめにした方が良いタイプ

肝陽亢盛[かんようこうせい]…熱がこもりやすい肝陽亢盛[かんようこうせい]の体質の方が陽性食材の桃を食べると、ますます熱がこもるのでご注意ください。

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