金縛りを医学では睡眠麻痺と呼びます
寝入りばなや、夜中寝ていて途中で目が覚めた時に、意識があるのに体の自由が効かなくなる現象を金縛りと一般的に言います。
現代医学の専門用語では金縛りとは言わず、睡眠麻痺[すいみんまひ]と呼んでいます。
今度から漢字のふりがなは、()ではなく[ ]の中に書く事にします。
「レム睡眠?ノンレム睡眠?どっちなの?!」と身体が混乱すると金縛りになります
皆様もたまに聞いたことがあると思いますが、まずはレム睡眠とノンレム睡眠についてご説明いたします。
健康な大人の睡眠パターンの流れ
健康な大人の睡眠時の脳波を見ると以下のようなサイクルになります。
入眠→浅いノンレム睡眠→深いノンレム睡眠→最初のレム睡眠(入眠してから60〜120分で始まる)→ノンレム睡眠→レム睡眠→…繰り返し…→レム睡眠→覚醒
ノンレム睡眠の時、体には以下のようなことが起きています。
- 脳のおやすみタイムです。
- 肉体の疲労回復のために重要な睡眠ですが、筋肉が弛緩しきっているわけではありません。
- 寝返りを打ちます。
- ホルモン分泌の時間です。
レム睡眠の時、体には以下のようなことが起きています。
- 脳を動かして記憶の固定をしています。
- 目を閉じていても、眼球がキョロキョロ活発に動きます。
- 脳からの「動いてください」という指令が脊髄で遮断されているため、体の筋肉は動きません。ですが眼球を動かす筋肉と、呼吸など生命維持のための筋肉は動いています。
- 夢を見ます。
脳からの「動いてください」という指令が脊髄で遮断されるタイミングが狂うと金縛りになります
脳からの「動いてください」という指令が脊髄で遮断される仕組み(レム睡眠の特徴)が、寝入りばな(本来ならノンレム睡眠の時間)や、夜中に目が覚めた時に働いてしまうと金縛りが起きます。
自覚としては、
まだ起きている(眠っておらず意識がある)のに、筋肉の運動が消えて動けない(レム睡眠の特徴)=運動麻痺=「金縛りになっちゃった!どうしよう!怖いよ〜!」
という状態になります。そして、夢を見て(レム睡眠の特徴)、その夢の内容を幻覚として認識します。
ということで、金縛りは心霊体験ではなく医学的に説明できるというオチでした。
ノンレム睡眠とレム睡眠の混乱が起きてしまうのはこんなケース
金縛りの原因は不明なのですが、以下のような方に金縛りが起きやすい事がわかっています。
- 睡眠時間が不規則
- 精神疲労が過度
- 思春期
- 仰向け寝で睡眠スタート
- 過眠症(ナルコプレシー)の患者さん
金縛りの予防法
- 横向き寝で寝る→最初だけで大丈夫です
- ストレスを上手に管理する
- 規則正しい生活
- 夜ふかしを避ける
夜寝ているはずなのに昼も眠かったり、居眠りが多い場合は過眠症(ナルコプレシー)の疑いがあります。まずはそちらの治療がお勧めです。
参考文献
おまけ;髙橋の愉快な超常現象体験(未達成)
子供の時、近場の山にUFOが現れると言う噂があり、証拠写真を撮るため友達と山へ行きました。結局UFOは見つけられず、綺麗な花の写真を撮って下山。楽しかったです。