本日は花粉症の基本的な知識と、東洋医学(中医学)では花粉症をどのように見ているか?の内容となります。
花粉症の基礎知識(2022年時点での情報)
花粉症の症状
即時反応
花粉にさらされ直ちに発作性に現れる反応を、即時反応と言います。
以下のような症状があります。
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻づまり
- 目の痒み
- 目の充血
遅発反応
花粉にさらされてから7時間以降に、その時点では花粉にさらされていないにも関わらず現れる症状を遅発反応と言います。
以下のような症状があります。
- 鼻づまり
- 眼の症状
- のどの痒み
- のどの刺激感
- 咳
- 胃腸症状(痛み/下痢)
- 顔・首・手〜腕など、露出している皮膚の発赤・かゆみ
- 頭が重い
- 頭痛
- 少数の患者さんに軽いうつ症状
花粉症の飲み薬
種類がたくさんあり、また、薬剤師ではない鍼灸師髙橋は詳しくないです。なのでとてもざっくりとした説明に留めさせていただきます。ご了承くださいませ。
抗ヒスタミン薬
即効性があります(特にくしゃみ、鼻汁)
化学伝達物質遊離抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬
効果が出るのに時間がかかります(数日~2週間)
抗ロイコトリエン薬、抗トロンボキサン薬
効果が出るのに時間がかかります(数日~4週間)
漢方薬
効果が出るまで時間がかかります。とても効く患者さんがいらっしゃいますが、個人差が大きいです。
花粉症の患者さんに処方されることが比較的多い漢方薬は以下の通りです。あくまで一部で、他にも種類はたくさんございます。
- 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)※一番有名
- 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
- 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
関東における代表的な花粉が飛ぶ時期リスト
参考データは花粉症環境保健 マニュアル2019(環境省)です。
- スギ花粉…夏以外ずっと飛んでいます、一番多いのは2~4月です。
- ヒノキ花粉…2~5月に飛んでいます。
- イネ科…春〜秋、特に5~6月が多いです。
- ブタクサ属…夏〜秋、特に8月が多いです。
2022年 千葉の花粉飛散情報
花粉飛散予報(ウェザーニュース)にて千葉県の各市町村別の花粉飛散情報が見られます。毎日チェックされるのがおすすめです。
中医学から見た花粉症
鼻鼽(びきゅう)
現代で言うところのアレルギー性鼻炎に似た症状を、中医学では鼻鼽(びきゅう)と呼んでいます。鼻鼽(びきゅう)は「突然鼻がむずむずしてくしゃみ・水っぽい鼻水・鼻詰まりがあらわれる症状」のことを指します。この鼻鼽(びきゅう)という症状が現れる時、体質は肺気虚(はいききょ)となります。
いろはならこうする〜総合鍼灸(お灸あり)
花粉症のための基本的なツボ(お顔・首・手にあるツボ)に鍼を使用します。そして花粉症の方は肺気虚(はいききょ)以外の体質として、
- 脾虚(ひきょ)=胃腸が弱いなどがある体質
- 腎虚(じんきょ)=寒がりで頻尿などがある体質
の2つの体質のどちらかにも当てはまる方が割と多いです。全員ではありません。
脾虚(ひきょ)を兼ねる肺気虚(はいききょ)、腎虚(じんきょ)を兼ねる肺気虚(はいききょ)、それぞれにツボも使い分けています。花粉症がある方は首肩こりでお困りの方が多く、それに対しても針灸を行います。頭痛がある場合、頭のどのエリアが痛いかに合わせて鍼灸を使用していきます。
脾虚(ひきょ)と腎虚(じんきょ)、どちらの場合でもうつ伏せと仰向けでの施術となります。仰向けの時はマスクをはずしていただき、小鼻の両サイドにあるツボ、迎香(げいこう)にお顔専用の細い鍼を使用します。
花粉症で鼻詰まり→口呼吸→冷え症その他もろもろ
鼻詰まりのせいで口呼吸になっている方が多いです。
口呼吸だと冷たい空気が直接肺に送られます。結果、体内に取りこむ空気の温度が低いせいで臓器が冷え、体全体の冷えにつながります。反対に、理想的な呼吸である鼻呼吸をすると、体温程度にまで温められた空気が肺に送られます。
口呼吸はお顔のたるみ、虫歯、歯周病、口臭、かぜ、睡眠時無呼吸症候群の原因となります。我慢せずに耳鼻科と針灸、両方組み合わせて花粉症を乗り切りましょう。
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