私たちの落花生

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我々千葉県民の食卓に欠かせないもの。離乳食期を終えてから生涯食べ続ける、ゆりかごから墓場までそばにいてくれるもの。そう、落花生です。

現代の栄養学から見た落花生

レスベラトロール※赤い薄皮に多く含まれています

ポリフェノールの一種であるレスベラトロールが落花生の赤い薄皮に多く含まれています。ポリフェノールとは大抵の植物に存在する苦味や色素の成分で、強い抗酸化作用が特徴です。
レスベラトロールというと赤ワインに多く含まれている事がよく知られていますが、実は落花生の赤い薄皮にも多く含まれているんです。

というわけで薄皮は捨てずに食べましょう

リノール酸

役割

不飽和脂肪酸の中でも特に重要な必須脂肪酸の1つであるリノール酸は、成長や生殖機能、皮膚の健康に関わっています。

落花生以外ですと、お米や小麦などの主食となる穀物・肉類・大豆油・コーン油に多く含まれています。

摂りすぎるとどうなる?

リノール酸を摂りすぎると、止血作用や炎症を引き起こす作用を持ったアラキドン酸の生成を促進させてしまうことがわかっています。

アラキドン酸は、炎症・癌・高血圧・動脈硬化を引き起こすことがわかってきました。アラキドン酸は適量なら健康に必要なものではありますが、多過ぎると病気につながります。

メチオニン

役割

メチオニンは必須アミノ酸の1つです。コレステロール分解を促進します。近年ではうつ病、肝機能に対しての改善があるのではないかと研究が進められています。

落花生以外ですと、お米にメチオニンが多く含まれています。

摂りすぎるとどうなる?

メチオニンは摂りすぎると血中コレステロールが増加し、動脈硬化のリスクを高めます。アラキドン酸と同様に、メチオニンも適量なら健康に必要なものではありますが、多過ぎると病気につながります。

ビタミン色々

代表的な効能について書きました。

ビタミンE

  • 細胞の酸化を防ぐ(老化防止)
  • 血中のLDLコレステロールの酸化を抑制
  • 血管を健康に保つ

ビタミンB1(チアミン)

  • 身体の中の糖質を分解してエネルギーに換える

ビタミンB2

  • 皮膚、髪、爪などの細胞の再生に関わっています
  • 糖質・たんぱく質・脂質の代謝とエネルギー産生に関わっています

ビタミンB3(ナイアシン)

  • 糖質・たんぱく質・脂質の代謝とエネルギー産生に関わっています
  • DNAの修復や合成
  • アルコールの代謝

薬膳の視点から見た落花生

長生果(チャンシェンクオ)

体内の活動を活発に保ち、 老化を防ぐ効果もあるため中国では長生果(長生きフルーツ)と呼ばれています。

効能3つ

  1. 潤肺(じゅんぱい)…肺を潤し、痰の無い咳を解消します。
  2. 和胃補脾(わいほひ)…胃腸を丈夫にし、吸収を促進します。
  3. 補脾止血(ほひしけつ)…赤い薄皮が斑状出血を改善します。

量を控えたほうが良い体質

落花生は脂肪酸が多く、食べすぎると消化不良を起こします。なので高齢者で消化機能が弱っている方は量を控えましょう。他には次の体質の方も落花生の食べ過ぎに要注意です。

  1. 陽虚(ようきょ)…全身冷えて胃腸が弱い
  2. 食積痰湿(しょくせきたんしつ)…暴飲暴食でぽっちゃりしている

千葉県における落花生(令和元年データ)

参考データは落花生|旬鮮図鑑(千葉県公式サイト)です。

保存方法

落花生は熱や光、空気で酸化しやすいので、殻付きで保存しましょう。殻を取っての保存は、リノール酸が過酸化脂質になるので注意が必要です。過酸化脂質は他の物質を酸化させるため、老化や細胞のガン化に関与するといわれます。

ちびっこの落花生デビュー時期に注意

子育て経験者の方はご存知の通り、落花生は少量でもアレルギー反応のリスクがあります。離乳食期を終えた後に、すりつぶした物をかなり少量から食べ始める、というふうに落花生デビューするのがおすすめです。

大きくなっても、粒のまま食べるのは3歳以降にしましょう。誤嚥を避けるためです。

おまけ1:死後も落花生

髙橋が千葉県内の友人実家に行くと高確率でお仏壇の前に落花生がありました。給食だけでなく亡くなってからも落花生に恵まれるなんて、と千葉県民の落花生への思いをしかと受け止めました。

おまけ2:連呼

今回のブログでは、落花生という単語を22回使用しました。

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